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キャリアコンサルティング(カウンセリング)実技の自主学習(09年5月25日改訂)
力量を上げる自習プログラム

@関係構築
→関係を作る力・関係を維持する力・CL視点の問題を把握する力
・「関係構築」の知的振り返り
まずは、「よくあるケース」と「関係構築を意識したケース」を見てください。
info ☆よくあるケース
info ☆関係構築を意識したケース
この2つのケース、どこが違うでしょう?
初対面のクライアントの場合、「自分の問題を分かってくれるか?」「自分の気持ちを分かってくれるか」「自分を受け入れてくれるか(拒否されないか)?」「駄目な人と見られないか」等多くの不安を抱きます。
面談の初期段階では、まずは「クライアントのため」に、その不安を解消させてあげないと、本音が言えません。
本音は言えないと、真の問題が分からず、課題解決などできるはずもありません。
「最初のケースは、カウンセラーには情報が増えていっていますが、
クライアントにっとっては
「このカウンセラーは私の問題を分かってくれたか」
「このカウンセラーは私の気持ちが分かっているのか」
「自分の気持ちを否定せず受け入れてくれているのか」
という点の情報はほとんど増えていません、だから、不安は残ったままです。
関係を意識したケースの場合、
「分かった事柄クライアントに伝える」
「クライアントがどう感じているか(考え、感情、意思も含め)伝える」
ということをしているので、クライアントは上記の不安は軽減し、自由に話ができるようになってます。
関係を作る(ラポールを作る)ためには、
相手が何を伝えているのか、その対象をどう感じているのか、をまずは分かりたい、と思うこと。
どう感じているかは「他人」だから非常に難しく、だからこそ、クライアントの目から見た世界感じている世界を深く分かりたいと思うこと。
自分が分かったと思っても違っている可能性も高く、正しく理解する為に、自分が分かったと思うことをクライアントに伝えること。
更にはクライアントはそこで「というか、***」と修正させるので、その修正を受けて分かったことをクライアントにフィードバックする。
相手を分かろうとすること、そして分かったことを伝えることで、クライアントの感じている世界をより共有でき、関係は深まっていくのです。
クライアントが表面的に言っていることではなく、「言いたいことは何か」と考え、伝え、修正していく、と表現してもいいと思います。
認知行動的視点の技法で整理すると
〜傾聴技法〜
明確化:あなたの伝えたいことをこう理解しましたがそれでいいですか?というストローク
感情反映:あなたのこういう感情がわかりました、というストローク
言い換え:あなたが伝えていることは別の言葉で言うとこういうことですよね、というストローク
要約:上記の組み合わせ。あなたの言いたい事は1つには**、2つには**・・というストローク
推奨参考書:「カウンセリングテクニック入門」大谷彰著
という表現もできます。
尚、「感情反射」について、「相手が言った感情的な表現をそのまま繰り返すこと」のように、やや誤解されている方がいらっしゃいますので、ロジャースが死ぬ前年にどう修正したかをお伝えします。
「セラピストとしての私の見解を言えば、私は『感情を反射しよう』とはしていません。クライアントの内的世界についての私の理解が正しいかどうかを確かめようとしているのです。クライアントがそれを今体験している通りに私がそれを見ているか、確かめようとしているのです。私の応答には、次のような無言の問いが含まれています。『あなたの中でそれはこんなふうになっていますか』『私は、あなたが今体験している個人的な意味の色合いとか肌合いとか味わいをちゃんとキャッチできていますか』・・・・(略)・・・・だから私は、『感情の反射』ではなく、『理解の確かめ』とか『受け取りのチェック』という言葉を使うことを提案します。こういった言葉のほうが、より正確であると思えるからです。セラピストのトレーニングにも有益です」(以上「カール・ロジャーズ入門自分が“自分”になるということ」諸富祥彦著より引用)
ここまでは、既に資格をもたれている方は復習です。
自分のカウンセリングの資格団体のテキストを再度確認してみてください。
「ヘルピング」を提唱したカーカフは、援助のレベル化を行っています。
参考文献:「ヘルピングの心理学」ロバート・R・カーカフ著(絶版)
3.0 意味への応答(どういう事柄にどういう感情)
2.5 感情への応答
2.0 事柄への応答
1.5 親身なかかわり
1.0 無関心
事柄を返せば事柄をわかってくれた人、気持ちを返せば気持を分かってくれた人になるのですが、理想としてはキャリアコンサタントは「意味」までわかってくれた人になってほしいものです。
言うならば、単純に「不安だ」「辛い」だけではなく、「何が不安なのか」「何が辛いのか」まで共有できる支援者です。
更に言うならば、関係構築の深さ、だけではなく、クライアント視点の問題を理解できるか(共有できるか)が、関係構築の延長上でキャリアコンサルタントには求めています。
面談を区切った時点で「結局、このクライアントにとっての問題は何なのか?」「この面談でクライアントはどうなりたいと思っているのか?」[
この面談に何を求めているのか?」という視点を、関係を深めながら理解をしていってください。ここが問題解決・目標達成を支援するための重要なポイントになります。
<学習方法>
関係構築の学習は座学や独学は非常に困難です。
また、2人組でやったとしても、キャリアコンサルタントが相手の役に立つと思う応答と、クライアントが「分かってくれた」「この人と話を続けたい」と感じる応答は質的に違うため、「クライアントから率直なフィードバックがもらえる」「自分がクライアントの立場になる」という視点と、「クライアントがなんと言ったか、という事実」「その返答として自分が何を言ったかという事実」がはっきりしていないと、具体的にスキル向上するのは難しいと思います。
とすると、学習方法は
1)2人組あるいは3人組で
2)キャリアコンサルタント役、クライアン役ト、オブザーバー役等をやり
3)面接(ロールプレイ)を録音(録画)し、
4)その録音(録画)の事実をベースに、「どの応答が分かってくれたと感じた」「どの応答が関係性視点でマイナスだった」
 というのを率直にクライアントにフィードバックしてもらいつつ、可能であれば、クライアントの言いたいことで分かったことを返す応答を考え、実際に振り返りで言ってみて、クライアントの感じ方がどう変わるか率直にフィードバックをもらう、
というのが、オーソドックスな学習方法になります。
振り返りの視点は
「クライアントは分かってもらえた、と感じたか?」
「クライアントはこの面談を続けたいと思っているか?」
「クライアントは結局何を強く訴えていたのか?(クライアントにとっての問題は何か?)」
です。
この場合大切なことは、
・ロールプレイとしては関係ができていない初対面のつもりで実施し(関係ができていると課題解決の応答も気にならない)
・振り返りでは、率直に悪い点も言えるだけの関係性必要(いいとこだけ言われてもスキルは上がらない)
という矛盾した要素があることです。
また、クライアントは「ああ言ってほしい」「ここでこんな質問してほしい」と感じますが、実際にはキャリアコンサルタントはエスパー(超能力者)ではないので、思ったからと言ってもクライアントが手掛かりを発言しない限りはそんなことは質問できません。
クライアント役のフィードバックを中心にした場合、不可能なことを要望されるリスクもあるのが難しい点です。
クライアント役の方は、キャリアコンサルタントの発言をどう感じどういう返事をしたくなるか、は伝えてほしいのですが、ああ言ってほしかった、こう言ってくれれば等「たられば」の話は可能な限り我慢してもらいたいのです。
いい応答は、クライアントの発言をベースに、キャリアコンサルタント役や、オブザーバー役の方がいろいろ言いなおしてみて、どういう応答がクライアントは分かってくれると感じるのか練習するのが役に立ちます。
クライアント役のフィードバックを補完する意味で、録音したテープを逐語にすることで、自分のスキルがはっきりします。
発言を5-10分程度でいいので、クライアントの発言、キャリアコンサルタントの発言、とはっきり分かるように記述してください。
まず最初に、クライアントの発言だけを見ます。
どんな事柄を伝えているのか、どんな感情(気持ち)を伝えているのか、どんな意味(どんな事柄にどんな感情だと言っているのか?あるいは、気持ちを言っていることが分かるなら、その気持ちの対象は何か?)を伝えているのか?記録に記入します。
次にキャリアコンサルタントの発言を読み、先ほど記述したクライアントが訴えている事柄、感情、意味に対し、どういうレベルの反応をしているか(していないか)、その表現でクライアントはどのくらい「分かってくれた」と感じそうか、を考えてみてください。
だったら、次回から、クライアントの発言に対し、どういう応答をすれば「分かってくれた」と感じるか、しかも「事柄」だけでなく「感情(気持ち)」や「意味」も、ということです。
上記の要素を組み合わせて、同僚や資格者通しの勉強会を実施してみてください。
関係構築のスキルを高めるためには、録音して聞き直しをするのは必須だと思ってます。
A問題を把握する
→クライアント視点の問題を把握する(共有する)、左記以外でキャリアコンサルタントとしてCLの問題・課題を理解する
まずは、「クライアント視点の問題」=温かい目で見たクライアントが感じている問題・目標、と「(それ以外に)キャリアコンサルタント視点の問題」=冷静な目で見たクライアントの問題・課題、とを分離して把握すること重要です。
クライアント視点の問題は関係構築を行いながら結局何が問題で、どうなりたくて、この面談へのニーズはないか、ということを共有することです。
具体的には、
「だったら**さんは、*********ということに困っているんですね」
「だったら**さんは、今回の面談で********というふうになりたいと思っているんですね」
等の応答で「まさしくその通り」という内容をしっかり共有ができることを目標とします。
クライアントと一緒に進む目標がはっきりすれば、解決方法や対処は、なぜその解決に繋がるのかを伝えることができればクライアントは納得します。
逆に言うと、問題や目標を十分握れないまま、課題解決の対処をやったところで、クライアントが知的に高ければ自分で統合してくれますが、通常はボタンがずれたまま進めてもうまく解決には進みません。
関係構築ばかり言われていた人が違和感を感じるのは「キャリアコンサルタント視点の問題」でしょうか?
ロジャーズが「クライアントは自己不一致している」と言ったように、クライアントは「自己概念」と「経験」とがずれています。
このずれている部分をしっかりとキャリアコンサルタントが把握することができると、クライアントの問題の解決に役立つケースが非常に多い。
ずれている世界をあたかも事実だと思い込むと、それはクライアントが2人になることであり、2人で溺れる分寂しさは軽減できますが、解決の役には立たない。
ここをしっかりと、根拠をもって把握することが重要なのです。
根拠が希薄だと、それは思い込みかもしれません。
このクライアント視点の問題、キャリアコンサルタント視点の問題を、事実に基づき、根拠をもって把握することが問題を把握する力です。
<学習方法>
クライアント視点の問題は、関係構築の学習と一緒に実施してください。
キャリアコンサルタント視点の問題については、これは面接の記録(ビデオ、録音、逐語等)事実がはっきり残っているものを素材にして、このクライアントは(自分では気づいていないが)こういう点が問題・課題ではないか?そこは具体的にこの発言等から把握でき、発言のこの部分から考えるとこういう傾向やリスクがある、等のアセスメント(評価)をまず実施してみてください。
それを複数の人に説明し、自分の評価が論理的か、それとも決め付けのリスクが高いのか、をディスカッションしてください。
「クライアント視点でなく」としていますので、クライアントが答えを持っているわけではなく、直接指摘をすると拒否される領域のものです。
(ということは、学習素材として逐語的なものを準備し、みなさんが投稿できるような掲示板を作るとよいわけですね。私の課題としておきます)
B適切に対処する
→戦略策定、対処、価値提供(価値を評価できる)
「戦略策定」について
今回提示したフレームで「クライアント中心療法」的な学習中心だった方が最も違和感を感じるのが「戦略策定」のようです。
認知的アプローチでは問題を明言し、それが自分の問題であることを認識し、受け入れた上で、解決方法を取りますからそこに戦略・対処はありますし、アイビイは問題の定義化、目標の設定の後で選択肢を探求し不一致と対決、という戦略・対処行動がありますし、カーカフは意味・問題・目標・感情の意識化である意識化技法の次が「手ほどき技法」で計画を立て、実行する段階としているのですが、ロジャーズのような人間主義では問題の定義や戦略・対処にはほとんど触れていません。
これはアイビイが「マイクロ技法の視点からみた各種面接・心理療法(2001)」でまとめた表にも顕著に表れていていて、他の面接では「よく用いる技法」「普通に用いる技法」である「メインテーマ/問題」に焦点をあてる、や、「助言、情報提供、その他」「指示」が、「人間主義」では「たまに用いる技法」と整理されています(参考:「マイクロカウンセリングの理論と実践」福原眞知子、アレン・E・アイビイ、メアリ・B・アイビイ著)。
私個人としては、ロジャーズが面談で求めたのは「パーソナリティ変容」であり、キャリアコンサルティングの定義で「キャリアコンサルティングは心理的な課題や問題そのもの、或いは問題の除去や治療を対象とするものではない。職業選択、職業キャリア、能力開発などに関する課題や問題解決のための相談、支援を行う」という、目的に違いによるのではないか、と思っているのですがどうでしょうか?
さて、キャリアコンサルティング、は課題や問題解決のための相談、支援を行う、という定義から、どうすればその問題・課題をよりよく解決できるか、というスキルが求められる訳です。
戦略を策定する時に意識する視点は2つ。
A:問題を解決する為にはどういうステップを行うとよいのか?
B:クライアントの心理的ステップにあっているか?=クライアントは受け入れるか?
Bは実は、クライアントの視点で見るスキルになりますので、関係構築を深めることで対応できます。
むしろ、Aの問題の解決方法の方が、意識していない方が多く、課題である気がします。
例えば、クライアントが以下のように訴えている時にどういう戦略を考えますか?
例1:入社して3か月。会社に合わないのでどうしようか相談。
クライアント視点の問題
・今の自分の仕事は命令されるばかりでやりたいようにできない。好きにやれないのが辛い。
・かといって、辞めて次の会社で自由にやれる保証はない。
→もっと自由にやる為に今の会社に残るのか、辞めるのか、今後の方向性を決めたい。
キャリアコンサルタント視点の問題
・3か月で新人にやりたいようにやらせる会社などほとんどない。
・上司が好きにやらせるだけの実力・信頼をつけないと好きにはやれないもの。
まず、Bのクライアントの心理的ステップにあっているか、という意味は、こういうケースで「キャリアコンサルタント視点の問題」を優先して、「そんなすぐに新人に自由にさせる会社はないよ」や「まずは自由にやれせてもらうための実力・実績をつけたら」とアドバイスをしてもほとんど役に立たない、ということです。解決策としてはいい意見であっても、クライアントが聞くモード、聞ける心理状態にならない限りは無駄。
だとすると、そのアドバイスを生かす為にはどういうステップで進めればいいか?
まず、大原則として、「辛い」「苦しい」「悲しい」「怒っている」等情動的な想いが強い場合は、それを受け入れる、が戦略を考える場合の優先順位1です。情動面を受け入れてもらわないと、問題自体に向き合えない。
では、もっと自由にやる為に、今の会社に残るのか、辞めるのか、方向を決めたい、と言っているので、どうすれば方向を決めることができるか、という考え方が、Aの問題を解決する為にどうすればいいかです。
今クライアントが考えている選択肢が2つあり、「決めたい」と言っているので、片方だけをいいとか悪いとか言ったのでは論理的に決定できません。決める為には両方をちゃんと比較検討しないと。
そうだとすると、今の会社に残る、転職する、でメリット、デメリットをあげて考える、や、どういう視点で比較をすればいいのか(自由にできるか、給料、将来性、リスク、知名度、とか)を整理した上で決定する、や、本当に2択なのか、他の選択肢がないかを考えてから比較検討する、等の方法が考えられます。
こういう、課題に対してどう進めればいいか、は、ビジネスの意思決定のテキストの方がカウンセリング関連書籍よりも詳しく書いてあります。
「ロジカルシンキング」「戦略**」等書いてあるビジネス書(まずは安価な入門書の文庫ぐらいでいいので)を読んでみてください。
「MECE」や「ロジック・ツリー」「視覚化数字化)」「優先順位づけ」等ビジネスの世界で日常的に使っている課題解決のためのフォレームの基本ぐらいは知っておくだけでもずいぶん役に立ちます。
こういう戦略ではなく、みなさんが学んだキャリア理論のどのフレームでこの問題に対処しようと思うか、も戦略です。
このクライアントの自由を求めるパーソナリティタイプと、今の環境タイプが合わないからうまくいかないのであり、パーソナリティタイプと環境タイプをあわせればいいのでは、という構造論的な考え方もあります。
だったら、このクライアントのパーソナリティタイプはホランドコードでいうと何なのか、そのタイプに適合した環境タイプはどんな仕事か?その仕事を手に入れるためには今の会社と転職とどちらがよいか、というような感じでしょうか?
でも、本当に構造論がいいのでしょうか?
別な理論アプローチだと発達論的アプローチ。つまり、今うまくいっていない不適合な状態を乗り越えることで、人は成長・発達する。言うならば、パーソナリティタイプを固まったものと見るのではなく、変化していく、と考えるわけです。
だったらどう乗り越えるのか?
CDAでも教えているナンシー・シュロスバーグの4Sトランジションでは、転機を乗り越えるために、シチュエーション(状況)、セルフ(自分自身)、サポート、今までやった・考えているストラテジー(戦略)を整理し、今後の行動戦略を立て・実行する、と言っています。
この4Sで戦略を考えると、ゴールを握った上で、まずは4Sをクライアントと整理して、見つめた上で、どうするか決めるのが進めるステップですね。
他にもいろんな理論があります。問題・課題に対し、どの理論をベースに考えていこうとするのか、これも戦略になります。
(参考:「キャリアの心理学」渡辺三枝子著)
戦略はカウンセラーの戦略なのか、クライアントの戦略なのか?
ここではカウンセラーの戦略と言っています。つまり、カウンセラーは意思を持って進めること。あるいは、カウンセラーはこの面談をどうするめる可、カウンセラーとしての意思決定を求められるということ。
ただしこれはその通り最後までやらなければならないわけではなく、常に変化修正していくものです。
クライアントが気づいていないキャリアコンサルタント視点の問題がほとんどなく、クライアントが十分自立的に思考・実行できる、と判断すれば、カウンセラーの戦略ではなくクライアントに戦略を立てさせる、というのも、カウンセラーが選んだ戦略になります。
今の講座では、「戦略は100人100様」と言って、まずは戦略を立てることを重視して教えていますが、本当はそういう複数の戦略を立てた上で、どの戦略がこの今のクライアントに適していると考えるか、という評価もあるのです。
ビジネスの課題解決も、解決するならどんなやり方でもよいのですが、当然ながら実施する前にどの案がいいか比較検討します。
「対処」について。
要するに、関係構築移行どういうことをやるのか、ということです。
関係構築以降、というためには、関係構築ができていることがわからないといけません。
関係ができてくると、手がかりとしては
・自分の弱みや恥ずかしいことを言えるようになる
・状況的話から自分自身・自分の内面的話になる
・視点が変化する(嫌な上司⇒上司も大変、等)
・自分の考え等が前向きに変化する
等の変化があります。
ただ、こうだ、というのではなく、クライアントの態度を感じることが重要です。
その意味では、トレーニングで「クライアントどう感じているか、どの程度分かってくれた、続けたいと感じているのか」を、クライアントとカウンセラーの差が小さくなる練習が必要です。
100%の関係などないし、必要もありません。
クライアントに役に立つ、必要と思えることを、カウンセラーがやって、クライアントが受け入れる、その関係以上を維持することが重要なのです。
基本的には関係構築以降は、みなさん社会人経験での課題解決の中で相当練習しています。
専門的な、アセスメントの使い方や労働情報の探し方も学習されたと思います。
関係ができたらもっと、役に立つことをやってみるしかないのです。
技法的な話をすると、人間主義的アプローチをとられる方は、関係構築前後使うスキルは同じ、と学習されているかもしれません。
しかし、認知行動では課題解決・行動促進のスキルは分離しており、実存的なスタンスの方も多くは折衷的に使われていると思います。
技法で書くと
〜活動技法〜
・質問(探索):明確化と違い、解決に向け「情報探索(深く探る)」という質問
・チャレンジ(矛盾提示):言語あるいは言語・非言語で異なっている部分を指摘し、本当はどうか確認する
・解釈:クライアントが自分で気づいていないパタン等を指摘し、考えさせる
・情報提供:クライアントに必要な情報を与える(カウンセラーの意見を言う等も)
があります。
ここで特に注意が必要なのは、関係ができたから後は「活動技法」で質問、情報提供でいい、というわけではない、ということです。
活動技法はクライアントにとって「しんどい」ものなのです。
大体使うと、関係性が少し落ちていきます。
関係構築以降も、活動技法1に対し傾聴技法1あるいは活動技法1に対し傾聴技法2、を意識して、関係性を維持していってください。
これが特にみなさん失敗しがちなところです。
後、「面談を構成する」「終わり方」があるのですが、ここは実践でないと難しいですね。
一応言葉だけ伝えると
・今日の面談の時間を意識する(ロジャーズも時間の枠があった方がよいと言ってます)
・面談の時間、クライアントの課題の緊急性等を勘案し、どの問題をどのレベルで扱うか選択する(すぐに仕事見つけないと飢える人に、性格の面談をしてもダメ。性格は仕事が決まってから時間をかけてやろう、と置いて、まず仕事につく手段を集中する、等)
・時間の終わりを意識し(クライアントとともに)今日どこまでやるかを決める=次回の面談に回す部分を決める
・今日の面談を振り返る
・次回の面談を決める
・宿題をどうするか(次回を有効にするには?できないことが来所できない要因にならないように)
等でしょうか?
価値提供および価値を自己評価する力
キャリアコンサルタントが「クライアントが心を開いてくれたからよかった」というコメントを聞くことがありますが、それでうれしいのはキャリアコンサルタント。
何のためにキャリア支援・面談をやっているか、何が実現できればクライアントあるいはすの面談のスポンサーが納得してくれるか、ということをキャリアコンサルタントは真剣に考えないといけません。
クライアントからすると「価値」というのは、自分がこの面談に何を期待してきたか、自分の目標は何なのか、その手がかりや前向きな変化がない限り「価値があった」とは言えないのではないでしょうか?
嫌なことがあって愚痴を言いたい、なら愚痴が言えてスッキリするのが価値。
グチャグチャして困っている、なら、問題が整理されるのが価値。
どちらがいいか決めたい、なら、決めることができるか、どうすうれば決めれるかステップがはっきりするのが価値。
やり方がわからない、ならやり方がわかるか、どこからどうやればいいいかイメージできるのが価値。
辛い、苦しい、不安、怒り、等情動的な問題ならば、その感情のレベルが軽くなれば、できれば日常行動できるまでに収まれば価値。
クライアントのニーズをはっきり理解することが、価値提供する為には最も重要です。
別に関係構築が弱くても、課題がはっきりしていなくても、たまたま前向きな変化が起こることはあります。
ただ、その変化を安定的に高い確率で起こるようにと考えると、これまで見てきた視点をしっかりやれることと相関があると考えています。
では、「前向きな変化があった」とどうやって評価するのか?
クライアントや、クライアントの周りの人たちにアンケートを取って評価する、というのもひとつの方法です。
もしみなさんが、キャリアセンターのマネジャーをやっているのであれば、面談を受ける前と受ける後とで何か前向きな変化が有りましたか(思考・行動・感情等)?できれば具体的に教えてください。という項目を入れると、けっこう把握できると思います。
では、そういうアンケートを取らないならどうするか?
ひとつは、面談終了時に、このアンケートと同様のことをキャリアコンサルタントがクライアントに聞いてみる、という方法があります。
私は時々(早めに面談が終わってゆとりがある時)こういう質問をしますが、クライアントは嫌がらずに返事してくれます。
この返事を聞いて、どこは変わったけどどこはまだ課題解決上足りないか、を考え、次回や宿題として足りない部分をテーマにします。
でも、別にこういうアンケートを特別にしなくても、変化は面談の中のクライアントの発言で分かります。
最初にマネージャーが許せない、と怒っていたのが、まあ仕方ないのかな、となれば、怒りのレベルは日常生活レベルに変わっています。
上司になんか相談できない、と言っていたのが、今度上司に相談してみます、と言っていれば、思考や行動の変化になります。
面談の前と後とで、クライアントの自発的な発言がどう変わっているか、ここをしっかりと把握することが、自己評価のポイントです。
キャリアコンサルタントがいくらいいアドバイスを言ったとしても、それを受けてクライアントの発言が変化していない限りはそのアドバイスが有効だった証拠はありません。クライアントの発言が自分の意見として言いきれているかどうか、もその変化をどの程度納得しているかの判断材料になります。
これは、まずは他人のも含め、逐語等をベースに、どんな変化があるかをピックアップする練習から始めるとよいと思います。
ここまでで一応面談を見る視点の説明を終わりました。
追加で、自分の力量を上げるために、自分の面接を振り返ることが有効ですので、その例として、「ケース記録」と「面談セルフチェック」の説明を少ししておきます。

ケース記録を書く意味

「産業カウンセリングハンドブック(金子書房)」カウンセリング面接記録の書き方(渡辺三枝子)がよくまとまっています。上記指導者研修も、この渡辺先生の整理をベースに教えています。
大まかに言うと、

カウンセラーのため:自分の過程を客観視し、評価・再検討のため、次回の方針・仮説のため、長期の面談対応。
所属機関のため:カウンセラーが変わっても効果的面接を継続するため、説明責任のため。
スーパービジョンのため:面接中の行動・進行状況把握・評価のため

ケース記録の書き方

これは演習でないと難しいですね。是非どなたか指導できる方を探してください。
一応視点だけ書くと「時間的経過にそって」「プロセスを他者に分かるように記録し」「クライアントの言語・非言語情報を具体的に記述し」「カウンセラーの解釈・判断等は事実の記録と分離して書く」です。
参考:ケース記録用紙例
(上記ワードでのダウンロードが使えない方:PDF)

 
面談自己チェック(自分の面談を高める為に)
・これまで説明した面接を振り返る視点をチェックするシートです(指導者研修・SV研修用に私が作成したものです)

info ☆面接セルフチェックシート:面接振り返りの視点例

info ☆自主勉強会用プログラム例
補足:「戦略」について
(戦略について、技能検定の論述でも設問がありますが、このサイトは技能検定対策ではないので、検定の論述問題自体について知りたい方は、キャリア協議会のHPで確認してください。)
過去問題
論述回答用紙のイメージ(だいたいのイメージです)
ここで解説するのは、面談の中での「戦略」です。
「戦略は100人100様。正解はない」と私が言っているのも関わらず「正解が欲しい」という質問を頂きます。
実際には、支援者の価値観、捉えた問題、持っている知識、持っているもの、相手の望み、相手の性格、相手の経験等、様々な可変要素があり、どれでないとダメという類のものではないので100人100様になるのです。
どうも、キャリア支援、というと正解がありそうな気がするようですが、普通の問題にどういうサポートをすると相手が満足するか、と考えれば、「正解」ではないことが分かるのでは、と以下の例を考えてみました。
例えば私が「久しぶりに東京で終日空いている日があるので、どこかいい観光コースないかなー」と相談した時の対応と考えてみてください。
正解のコース、正解の対応とかありますか?
私がどんなところに行きたいか、最初に聞いて考える方法もありますが、自分が好きな場所を教えて反応を見る方法もありますし、最近流行りのスポットを教える方法もあります。
相手のタイプによっては、電車で移動のコースや、タクシーで移動のコース、人によっては徒歩が好きな場合もありますから、移動手段によっても違います。
あなたは教えるだけですか?関係によっては自分の車を出して一緒に回る場合もあるでしょう。
スグに素敵なスポットを教えるだけの知識がありますか?今知っている知識での返事もあれば、調べ方を教える方法もあれば、モバイルを持ち歩く人であれば検索して教える方法もあるし、友達の詳しい人に聞いて教える方法もある等様々です。
大体観光コースと言っているけど、本音の「過ごし方」であれば、もっと選択肢は多くなります。
普通の問題に置き換えて考えると、正解がないことは理解しやすいのではないでしょうか?
正解はないのですが、「まずい対応」「相手が満足する視点」はあります。
まずい対応は、「相手が求めているものと違うものに対応している」「相手の反応を見ず一方的に進めて修正できない」が代表です。
美術とか文化的なものが見たい、と言っているのに、流行りのデートスポットを教える、しかも抵抗しているのに修正できず一方的、とかですね。観光コースを相談しているのに、どんなものが好き、で留まってコースのことを忘れているのも役に立たない無駄な時間と思われてしまうでしょう。
問題を共有できる、関係を作り話を修正できる、問題の解決のシナリオが分かっている、解決へのステップを具体的に進めることができ自分が直接教えることができなくても、調べ方等どうすれば前進するか分かる、等が「相手が満足する視点」例だと思います。
正解はなくて、100人100様でよい、という点納得して頂けましたでしょうか?
正解はない、あるいは、正解は無数にある、ということです。
実はこれは、teachとlearnの問題かもしれません。「teach」はあらかじめ正解があって、それを教え覚えさせるという行為。「learn」は生徒が自ら学び、何通りもある答えから論理的に考え、自分独自の答えを選ぶ訓練。
日本ではteachばかりをこれまでやっていましたが、世界の教育先進国は今はlearnを重視しています。
キャリア支援はまさにlearn。
だからこそ、万人にとっての正解はないのです。
自分なりの解答を、このホームページの解説等を参考に考えてみてください。
その他様々なキャリア情報

・キャリア支援者として必要な情報をBlogに入力しています。企業事例やプログラム等もストックしていっていますので、

 ぜひご活用ください。また、新しい情報をご連絡頂けると助かります。
★Blog:キャリア研修センター福岡

 当然ながら直接トレーニングした方がよいのですが、残念ながら私福岡に拠点を移したこともあり、
 トレーニングに参加できる方は限定されてしまいます。

 まずは視点だけでもNetで学ぶことができると嬉しいのですが、如何でしょうか?

 勉強された方は、是非感想等をお送りください。 info@career.on.arena.ne.jp

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